木型工房から見た風景を書き記します!
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12/21
番販ってなーに 「昼あがりどまんなか」関西テレビさん
在阪の関西テレビ「カンテレ」の土曜日のお昼の番組に「昼あがりどまんなか」という番組があります。そのディレクターから去る二月の末に出演要請がありました。大阪には菓子屋さんの得意が沢山ありますので、宣伝宣伝と快く取材を了承致しました。
そして放送価値云々についての査定も含めて下調べに来られました。ディレクター等お二人が来られ、その方達は一週間高松に張り付いておられました。先乗りしての関連取材のためでした。

ロケ前日からは八名編成で来られました。越前屋俵太さんと言うタレントさんもインタビュアーとして来られました。まず近所の犬へのインタビューから入られました。
犬は吠えるわ子供は泣いて家の中に隠れるわで大変な行列で来られましたが、こちらにはアポ無し来訪という前提で来られました。ものすごいいでたちで大きい筆をしょったろうて来られた時はおおいに驚かされました。
そして工房に入られ、巧みな芸で私をさんざん笑い物にしてくれました。それがまた憎めないのです。私も自ずと肩の力が抜けました。
最後に大きな紙に「木型一代」としたためられ、取材を終えて大きく手を振って大阪に向かって帰られました。延べで一五泊くらいなされました。すごい経費です。私みたいなこんな人間のために。

その番組は三月一七日に関西地方、兵庫から滋賀と福井の境までのエリヤで放映されました。視聴率×人口で言うと二〇〇万人くらいがテレビをかけていた事になります。真剣に見たのと視聴率は随分違うと思いますが....。でも凄いことです。

つい先日山口県の友人から電話を頂きました。「テレビに写っておりますよ」 関西テレビで再放送があるっと言うのは聞いておりましたが、エリヤ外の山口県では絶体映る筈がないのです。でも現実に映っていると言うのです。
その後関テレの担当のディレクターに聞きました。
ご存じですか?
いや知りません。
こんな事はあるのですか?
はいあるんです。


三日後に広島ホームテレビから別の番組の収録で来られたディレクターに聞いた。その答えは、番組を出来ぐあいによって、良いと思えばその番組を著昨権ごと売買するのだそうです。
売りにかけるとそれをまた審査の上で買う局があるのだそうです。私のも売りに掛けられてそれが山口県で流れていた次第です。全国どこでいつ流れるかはその局の都合によるので解らないのだそうです。
そのディレクターが申されました。「せめて作った我々にだけでも知らせてくれればうれしいのだけれど一切ないんだなー、教えてくれよ」と。

業界用語に属する「番販」と言う言葉を覚えた一日でした。
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12/20
技の人 広島ホームテレビさん
先日テレビ取材を受けました。広島ホームテレビ制作の、シリーズ「技の人」という番組です。十日ほど前に取材依頼の電話を頂き宣伝になるだろうとの思いから協力させて頂きますとの返事を致しました。そして予定を突き合わせ12月五日の取材日が決まりました。
撮影には五人のクルーで来られました。皆さん前日から高松に入り導入部の情景描写の絵を屋島山上とか数カ所でロケをして国際ホテルに泊まられたそうです。

スタッフの内訳はチーフディレクターと女性のサブとカメラマン。そして照明さんと音声さんの五人です。挨拶の後、機材を組み立ててすぐに家の周りの風景を撮りました。そして工房にて打ち合わせをして、早速本題の撮影に入りました。
一番の眼目は修練の様が聴視者に伝わる技を見せて欲しいとの事でした。材料の木材の倉庫から始まり一通り制作過程を実演しました。木型が彫刻刀の当てる角度によって手の中でグルグル回る所は特にカメラ向きのシーンですのでそこもたっぷり時間をさいて撮っていただきました。
こちらももう何度かテレビの取材は受ているので見せ所は解っています。でも過去に他社が撮ったビデオを以前は説明の為見ていただいていたのですが、もう見ていただくことは致しません。どうしても似通った構成になってしまうのです。やはりその都度オリジナルなものを作っていただきたいから。

最後に20分ほどインタビューを受けました。言葉は詰まるし、方言は丸出しでしたがどのように編集していただけるか祈るような気持ちです。いつもは長時間掛けて、時には何日も掛けて撮る場合もありますが、今回は非常に早く四時間余りで撮ってしまいました。
遅めの昼食を近所のうどん屋さんに案内した時、時計を見るとまだ三時前でした。その後広島に向かって帰られました。

翌日の六日にスタッフの方から教えていただいていた同じ枠の放送を見ました。その日は勝山の硯職人の方が出ておられましたが、構成もナレーションも音楽もすばらしい出来映えでした。こんな感じで作っていただければ良いなと思いました。

瀬戸内圏五県が放送枠で月に一本か二本の割合で同じメンバーで制作するそうです。

放映日は来月一月十日の木曜日です。瀬戸内海放送の、KSBスーパーJチャンネルの内、18時20分頃から10分間程だそうです。なお広島、愛媛、山口県に関しては一足早く十二月二十五日に流れる予定です。もし時間があれば是非見てください。
12/15
一分一滴
讃岐といえばうどんですね。

 全国平均の三倍は消費してと言うだけあって、関わる業者も多く地場産業の優等生と言われています。こだわった麺とだし創りに精を出す事が経営者に委ねられた義務です。作り手と食べ手の気持ちが、そしてまた感性的な物が合致したときに最高の味が味わえます。

 私 最近「一分一滴」 という言葉を自分で感じて時々使っております。

 粉と水と塩に留意し、打ち上げ刻んだ麺を大鍋で湯がき、流水にさらしてどんぶりに入れたとき、この時が最高に美味しい時です。艶があって頃合いの塩加減の中にゴムのような弾力性があれば最高です。

 最も麺に対してうるさい方々の食べ方は、生醤油うどんです。出来立てのうどんの上に大根スリとユズとゴマを乗せて醤油をかけます。そのかけ方に少々要領があるのです。大根の上から掛けて下のうどんにわずかに届く所で止めて、うどんと大根すりをからませて一気にすするのです。その後も醤油の一滴一滴に配慮して最後までうどんが黒くならないように甘みを残して食べきれれば麺喰いとして合格です。本当の麺許皆伝です。

 温かいのと冷たいのがありますがどんの味を芯から楽しもうと思えば絶対に冷やです。醤油うどんとかぶっかけうどんとかざるうどんがそうです。そして上に載せるトッピングの天ぷらとか肉とかきつねの味を楽しもうと思えば温かいのがお薦めです。どうしてもお湯で温めた時点に麺がふやけるので、本当の変骨の麺食いは冬でも冷やを注文します。

 出す方は一分のうちに食べていただきたい。10分も経ったものはどんなに良い物でもだめになる。
繁盛店では行列が出来て、釜から上がるのを客が待っている最高の状態になるので好循環が起こります。「醤油うどん」と注文すると「冷やですか暖かいのですか?」などと馬鹿なことは聞かれたくない。客に迎合せずに「醤油は冷やしかありません」とくらい言って欲しい。

 以上の外に、なんと言ってもだしにお金をかけるのが肝要な事です。麺はタイミングさえ良ければまずおいしいのです。人間の若さと同じです。だしは人で言えば培った教養です。だしに手を抜けばやがて客足は離れます。麺とだしが良くって営業時間は短かめで、従業員教育も良くできてるお店、こんな所が概ね良い店です。
 でも最近は新参のお店がチェーン化して、24時間営業で大通りに大型店をどんどん出しています。あまりこだわりもないけれど、このような蘊蓄を傾ける人も少ないし、また事実大方のお客はそれで満足しています。

 良い店は場所も解りずらいし、夜はとっくに閉まっている。他県から来た人は見つけようがない。これが讃岐うどんなのかと思って帰られるのは少し悲しい。

 一分一滴に沿ったお店、お任せください、私がご案内申し上げます。
12/01
玉藻城
こちらでは「ほっこ」という言葉は馬鹿という意味ですね。他方では北興運送何々とか北港海運という名前がありますがこちらでは絶対に使いませんね。ほっこ ほっこ くそぼっこ。そんなふうに日常的に使います。

 語源は諸説有りますがその一つにこんなのがあります。

 高松のお城は玉藻城といって海に面した所に有ります。城作りに普通北に水の掃ける口は付けないのだそうですがこのお城だけには北に口があるのです。よそからきた人がこんな北口をつけてなんというばかなことをしたのか、北口とは馬鹿な事を、というのを地元の人が聞き北口(ほっこう)は馬鹿だ、ほっこうはばかだと言う事でほっこは馬鹿な事となったそうです。

 お城の話にこんな話も有ります。海水を引きこんで城壁を敵方から守るお堀としておりますが、その頃はお堀の中に鯛を放流していました。松平のお殿様が「まさかの時の飲用水にこの堀を真水にしたら」と言う事になりました。そこで毎日大きなひしゃくに一杯ずつ海水を掻き出して井戸水を入れて、また次の日も入れ替えて毎日毎日少しずつ入れ替えていきました。するとやがて反対の声が上がりました。そんな事をしたらせっかくの池の鯛が死んでしまうではないかと。でもそれは唯の固定観念で、池の鯛は死ななかったのです。段々と変化する環境に順応してゆき、全くの真水になってしまっても元気でぴんぴんしていました。

 あきらめずに挑戦していけば思わぬ結果がひき出せる、というお話のようです。
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